マレー語でカバーされた日本の昭和ポップス

いろいろ
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マレー語でカバーされた日本の60〜80年代昭和ポップスを、30曲ほど発見しました。

マレー語カバーを発見したときは、「考古学者が遺跡を発掘したときの興奮ってこんな感じなんだろうな」という胸の高まりがありました。
「え!この曲も、この曲も、この曲も、マレー語に翻訳されてたの〜!❤️」
「マレー語版もなかなか味があるねえ!!」
と。

平成生まれの私には、聴いたことのない曲もたくさんあって、「マレー語カバー版を通して知らなかった昭和ポップス曲を知る」という逆輸入で、昭和ポップスの魅力を再認識しました。70年代にタイムスリップして百恵ちゃん、ピンクレディ、キャンディーズを追いかけたいよ。

この記事では、主なマレー語カバー5曲を紹介した後に、マレー語カバー曲のリスト34曲分日本語版とマレー語版を聴き比べられるプレイリストをご紹介します。

ああ、昭和ポップスもマレー語カバーも最高!!

ダンシング・オールナイト(もんた & ブラザーズ)

もんた&ブラザーズの「ダンシングオールナイト」。マレー語でカバーしたのは、1970年代に人気を博したマレーシアのロックバンドAlleycats。Alleycatsは伝説的なバンドとして現在も知名度が高く、20代のマレーシア人、マレー系シンガポール人の方も結構知ってます。

ちなみに、「ダンシングオールナイト」は中華系マレーシア人の巫啟賢によって「但是又何奈」というタイトルで中国語でもカバーされています。

Wikipediaによると、「ダンシングオールナイト」はそれまでヒットが出せなかったもんたよしのりさんが、「売れるわけないやん」と思いつつ、再起をかけてリリースした曲とのこと。売れるわけないと思ってた曲が、こんなに大ヒットして、色んな言語で愛されているなんて、素晴らしい!!

モンスター(ピンク・レディー)

Sudirmanは1980年代、数々の音楽賞を総なめにしたマレーシアの有名歌手。

そしてこの曲”Toyol”は、ピンクレディ「モンスター」のマレー語版。
タイトルにある”Toyol”とは、マレーシアの妖怪の名前のようです。

イントロの「ワハハハハ…」は、マレー語版の方が不気味かもww

横須賀ストーリー(山口百恵)

原曲は70年代のトップアイドル山口百恵の「横須賀ストーリー」。
マレー語版”Mari Menyanyi”を歌ったのは、Trio Manjaという女性トリオ。
日本で「横須賀ストーリー」がリリースされたのが1976年、Trio Manjaはその2年後の1978年にマレー語版の”Mari Menyanyi”をリリースしています。

歌詞の「これっきりこれっきり、もうこれきりですか」は、”mari nyanyi hibur hatimu agar kau gembira”(一緒に歌って楽しもう)とポジティブな歌詞に。

山口百恵さんの曲は、マレー語で他にも「いい日旅立ち」、「夢先案内人」など複数カバーされているので、後ほどリストで紹介します。

青いリンゴ(野口五郎)

新御三家の一人、野口五郎の1971年のシングル「青いリンゴ」。

マレー語版は、シンガポールの歌手Elmi Sallehが歌っています。タイトルの”7 Bulan Yang Lalu”とは、「7ヶ月前」という意味。7ヶ月に別れた恋人から突然手紙が届き、今の恋人との間で揺れ動く女性の気持ちを歌った歌詞になってます。モテる女の悩みですね。

日本語のタイトルにある「青いリンゴ」は全く出てきません。そもそも、なぜ野口五郎は失恋で泣きながら青いリンゴを抱えているのか!?

よろしく哀愁(郷ひろみ)

郷ひろみさんの「よろしく哀愁」は、Halil Chikが”Sejak Mengenal Cinta”というタイトルでカバーしました。マレーシアで生まれ、シンガポールで育ったHalil Chikは、70年代後半~80年代に人気を博し「シンガポールのトム・ジョーンズ」と呼ばれていたそうです。

日本語版は2019年の郷ひろみさんのコンサート動画を貼ります。1974年リリースの曲ですが今でも色褪せず、時代を超え、国境を超え愛される名曲ですね。

他にもいっぱい!マレー語でカバーされた昭和ポップス

マレー語に翻訳された昭和ポップスリスト

マレー語に翻訳された昭和ポップスリストはこちら!上で紹介した5曲も含まれています。(順不同)

日本語曲名(歌手名)マレー語曲名(歌手名)
いい日旅立ち
(山口百恵)
Bukan Pada Ucapan
(Alleycats)
赤い運命
(山口百恵)
Ku Ingin Bahagia
(Rina Rahman)
夢先案内人
(山口百恵)
Bunga Rumput Di Jalan
(Noorkumalasari)
ゆうべの秘密
(小川知子)
Terkenang Padamu
(Hail Amir)
ダンシングオールナイト
(もんた&ブラザーズ)
Kisah Kau Dan Aku
(Alleycats)
モンスター
(ピンクレディ)
Toyol
(Sudirman)
アパートの鍵
(小林麻美)
Bas No1
(Julie Remie)
バラのかげり
(南沙織)
Ku Gembira
(Trio Manja )
人恋しくて
(南沙織)
Hari Bahagia
(Trio Manja )
雨の日のブルース
(渚ゆう子)
Bintang Sukanku
(Rahimah Rahim)
心騒ぎ
(太田裕美)
Cinta Berakhir
(Halil Chik)
他人の関係
(金井克子)
Untuk Dia Tersayang
(Uji Rashid )
心もよう
(井上陽水)
Lukisan Rasa
(A Razak)
よろしく哀愁
(郷ひろみ)
Semenjak Mengenal
 Cinta (Halil Chik)
横須賀ストーリー
(山口百恵)
Mari Menyanyi
(Trio Manja )
青いリンゴ
(野口五郎)
7 Bulan Yang Lalu
(Elmi Salleh)
星を見ないで
(伊東ゆかり)
Jangan Menangis
(Serena Hashim)
チャンスは一度
(西城秀樹)
Kenalan Di Perjalanan
(Anita Sarawak)
経験
(辺見マリ)
Pengajian Di Seberang Lautan
(Sharifah Aini)
君のハートに火をつけて
(あいざき進也)
Surat Dari Seberang
(Sharifah Aini)
避暑地の恋
(チェリッシュ)
Ku Sayang Tunangku
(Siti Salmah)
あなたに夢中
(キャンディーズ)
Telatah Si Bujang
(Black Dog Bone)
その気にさせないで
(キャンディーズ)
Hilang Rindu Bila Bertemu
(Black Dog Bone)
恋人たちの港
(天地真理)
Hari Sabtu Yang Indah
(Rina Rahman)
スク・スク
(ザ・ピーナッツ)
Papaya Ciku Ciku
(Kadir)
オレンジの口紅
(太田裕美)
Ku Cari Kawan Setia
(Black Dog Bone)
涙は紅く
(山本リンダ)
Kau Milik Hatiku
(Uji Rashid )
雨に濡れた花
(テレサテン)
Pantai Cinta Sayang
(Maria Bachok)
白い約束
(山口百恵)
Untuk Ibu Ayah
(Rina Rahman)
雨に濡れた慕情
(ちあきなおみ )
Sepasang Mata Hati
(Elmi Salleh)
バラ色の月
(布施明)
Don Juan II
(Rafeah Buang)
恋のしずく
(伊東ゆかり)
Jangan Menanti Lagi
(Rafeah Buang)
空港
(テレサテン)
Hari Ni Tak Seindah Semalam
(Rahman Kadir)
口づけが怖い
(久美かおり)
Hari Ini Dan Semalam
(J Mizan)

「マレー語でカバーされた昭和ポップス」、探せばまだまだあるんだろうなと思いますが、今のところ分かっているのはこの34曲。是非、他の曲もご存知の方がいましたら情報お待ちしています!

聴き比べYouTubeプレイリスト

日本語の昭和ポップスとマレー語のカバー版を交互に聴き比べられるYouTubeのプレイリストを作成しました。

下の動画の右上の三本線をクリックすると、プレイリストが開きます。

今回紹介した5曲以外で、私が特に好きな”Bas No.1”(小林麻美「アパートの鍵」のマレー語版)を貼り付けておきます。Julie Remieさん、歌声が可愛い。

YouTubeのプレイリストは現時点で著作権上削除されなそうな動画に絞って作成しています。

聴き比べSpotifyプレイリスト

日本語の昭和ポップスとマレー語のカバー版を交互に聴き比べられるSpotifyのプレイリストを作成しました。

Spotify上に、日本語版もマレーシア語版どちらも揃っている13曲のみですが、是非お楽しみください♪

アジア各国のJpopカバー事情

せっかくなので他の国ではどんなJpopがカバーされているのか要チェック!
各国の選曲センスが垣間見れますよ。

まとめ

昭和ポップスって、メロディがドラマチックで、歌詞は感情が爆発してて、一曲聴いただけで映画を見たみたい。マレー語カバーを掘るうちに、すっかり昭和ポップスにハマってしまったので、コロナが明けたら昭和歌謡バーに通いたいと多います。

マレー語カバーは、マレー語の発音が日本語と近いからか、すごく自然で聴きやすいな〜と思いました。あと、当時のマレーシアの音楽関係者の選曲センスに惚れました。「青いリンゴ」や「よろしく哀愁」など、作曲家・筒美京平さんの作曲した曲が多くカバーされてますね。

マレー系の方でも、「マレー版は聞いたことあるけど、それが日本の曲のカバーだったとは知らなかった」という人も多いと思います。是非マレー系のお友達とシェアして一緒に聴き比べを楽しんでみてください^^

今回ご紹介した34曲以外で、マレー語カバーをご存知の方がいたら、ぜひ情報お待ちしています!お読みいただきありがとうございました。

Jumpa Lagi~!


コメント

  1. 荒井満 より:

    Indonesia曲、 Malaysia曲歌ってますので、とても参考になりました