東アジア・東南アジア出身の方と友達になると「よくそんなマニアックなJpopの曲知ってるねえ」と言ってしまうような状況に遭遇することがあります。
インドネシアで人気な五輪真弓さんの「心の友」のように、Jpopの原曲が日本語のまま現地で人気なパターンもあれば、「涙そうそう」の中国語カバーのように現地の言葉に翻訳されて親しまれているパターンもあります。
もっと言うと、現地に浸透しすぎて、日本語が原曲であることが知られていないパターンもあります。「この曲は自国の作曲家が作った自国の曲だ」と信じ込んでいる方に、「この曲は元々日本の曲だよ」と伝える時は、ちょっとした国際紛争が起こるんじゃないかとヒヤヒヤすることもあります。
いずれにせよ、Jpopが色んな国で親しまれていることはありがたいことです。
今回の記事では、アジア各国のJpopカバー事情をまとめます。私自身が色んな国に精通しているわけではないので、各国の専門ブログやサイトを引用させていただきます。
各国がどのような曲を選んでカバーしたのか、各国の選曲センスや嗜好が伺えるかもしれません。
(※各国カバーの権利関係までは調べられていません。)
中国語・広東語
Jpopの中国語カバーを知りたい方は、Cpop研究所さん、我的中国歌1000さん、Cpopマニアさんのブログがオススメです。
Cpop研究所さんによると「特に注目した方がいいのは安全地帯・中島美雪・テレサテン」だそうです。さすが、中国語のカバーは数が多い!!70年代頃の懐メロから、平成ポップスまで幅広くカバーされています。中国語・広東語の両方でカバーされている曲もたくさんあって、聴き比べてみるのも面白いですね。
中国語・広東語でカバーは、後ほど紹介する東南アジア各国でカバーされた曲と絶妙にかぶってるんですよね。もしかしたら中国・香港・台湾経由で東南アジアに渡った曲もあるのではと推測されます。例えば、
●日本:「もう恋なんてしない」(槇原敬之)ー香港:「我的亲爱」(黎明)ーベトナム:”Baby I Love You」(Ưng Hoàng Phúc)
●日本:「未来へ」(Kiroro)ー台湾:「後來」(劉若英)ーインドネシア:”Sayang”(Via Vallen)
●日本:「北国の春」(千昌夫)ー台湾:「北国之春」(邓丽君)ータイ:”คอยวันจะได้เจอ”(เรนโบว์)
また、多くの言語に訳されている中島みゆきのルージュについてはまた別の機会に特集したいと思います。
ここでは、カラオケで盛り上がりそうな、大事マンブラザーズ「それが大事」広東語ver「红日」を貼っておきます。
韓国語
Jpop韓国語カバーは、ハングルを楽しみながらお勉強というブログで100曲以上紹介されています。
パッとみた感じだと、中島美嘉と福山雅治が多い印象。あとは、中山美穂の「世界中の誰よりきっと」のカバーが3パターンもあるので、人気が伺えます。
そのうちの1つ、The Nutsの「사랑의 바보」を貼っておきます。
モンゴル語
モンゴル情報クローズアップさんによると、千昌夫さんの「北国の春」は、中国語やタイ語だけでなくモンゴル語もあったんですね。あとはTHE BLUE HEARTSの「リンダリンダ」がカバーされているようです。
「北国の春」のモンゴル語版の動画を見たいけど、削除されてしまっているよう。。見つけたらここに貼ります。
ベトナム語
VietJOLifeというサイトで、Jpopベトナム語カバーが12曲紹介されています。
韓国での中島美嘉カバーの多さに続き、ベトナムでも中島美嘉の「桜色舞うころ」や「雪の華」がカバーされ、有名なようです。
上記サイトで、「ベトナム人に馴染みが深い日本の歌No1」として紹介されていた、中島美嘉の「桜色舞うころ」のベトナム語バージョン、Xe Đạp (Thùy Chi ft. M4U)を貼ります。素敵な歌声。
インドネシア語・ジャワ語
インドネシアでは、Kiroroの「未来へ」のジャワ語版(インドネシアの方言)が有名です。また、平井堅の「Gaining Through Losing」も、インドネシア語でサビの部分だけカバーされています。
インドネシア語カバーは、他の言語のカバーと違って、インドネシアテイストを混ぜながらアレンジしているのが特徴的です。インドネシア語カバーについては、こちらの記事で紹介しています。
インドネシア語の70-80年代Jpopのカバーがあまり見つけられてません。他の東南アジアの国の傾向から考えるとありそうなのに。インドネシアは、70-80年代頃すでに自国の作曲家が十分に整っていて日本の曲のカバーをする必要がなかったということでしょうか!?ご存知の方がいたら教えてください。
ここでは、Kiroroの「未来へ」のジャワ語版”Sayang”(Via Vallen)を貼ります。
タガログ語(フィリピン)
セブ島のWEB屋さんのブログで、タガログ語でカバーされてる日本の曲まとめが紹介されています。
サザンやTUBEのカバーなど、海が似合うバンドの曲がカバーがされているのは、フィリピンらしいかもしれません。
サザン「真夏の果実」のタガログ語版、”Isang Tanong Isang Sagot”を貼ります。
マレー語
マレー語カバーについては、以下の記事で60〜80年代の昭和歌謡カバーを30曲ほど紹介しました。
短調でドラマチックな曲が多くて、個人的にマレーシアの選曲センスが好き。
いい日旅立ち(山口百恵)のマレー語版、”Bukan Pada Ucapan”(Alleycats)を貼ります。
アフロのお兄さんたちが、こんなしっとりした曲を演奏していると思うと面白いです。(マレーシアでは超有名バンドのAlleycats)
タイ語
ジム兄さんのブログでタイ語カバーが紹介されています。中でも、嘉納昌吉の「花~すべての人の心に花を~」は多くの言語にカバーされている名曲ですね。
他に「北国の春」、「港町ブルース」、「昴」のタイ語カバーがあるようです。
ここでは、谷村新司「昴」のタイ語版”ดาวประดับใจ”を貼っておきます。タイトルは、日本語に訳すと「心の宝石のような星」と言う意味だそうです
ビルマ語(ミャンマー)
バダウ〜ミャンマーよもやま話〜というサイトで、日本の歌謡曲のビルマ語カバーが紹介されています。沢田研二、ピンクレディーなど、60~80年代の歌謡曲カバーが多そうです。ここに紹介されている曲の他、「ブルーライトヨコハマ」のビルマ語カバー、「ブルーライトヤンゴン」という曲もあるそうです。
ここでは、ピンク・レディー「ペッパー警部」のビルマ語版”အချစ်ကိုကြေငြာမယ်”を貼ります。
クメール語(カンボジア)
原生花園さんのブログで、クメール語カバーが紹介されています。西田佐知子、千昌夫などの1960年代の歌謡曲がカバーされているようです。
西田佐知子「涙のかわくまで」のクメール語カバー”កុំដាច់ចិត្តចោលបង”です。
最後に
すみません、、ラオ語のカバーは見つけれませんでした。。。あと東ティモールのテトゥン語Jpopカバー。。あるかな?
今回の記事では、言語ごとの区切りで曲を紹介したので、東南アジアの国としてあと名前が登場していないのは、シンガポールとブルネイ。
シンガポールの中華系歌手、蔡淳佳は中国語で夏川りみ「涙そうそう」や中島美嘉「雪の華」をカバーしていますし、シンガポールのマレー系歌手Black Dog Boneは、マレー語でキャンディーズの「あなたに夢中」をカバーしています。
ブルネイ歌手によるJpopカバーは見つけられませんでしたが、ブルネイの公用語はマレー語なので、マレー語版Jpopカバーを聴いているかも?
是非、東アジア、東南アジアのお友達との話のタネに、今回紹介した歌を聴いたり歌ったりしてみてください^^
そして各国の言語・音楽に精通している皆さん!補足情報などあればお気軽にコメントください♪
お読みいただきありがとうございました!
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