海外の友人にプレゼントを国際郵便で送りたいけど、送り状に「HSコード」を記載する欄があって戸惑った方はいらっしゃいませんか?
今回は元通関士の私が、HSコードを調べる方法の中で一番簡単と思われる方法をご紹介します。
HSコードとは
輸出入の際に、商品を表す10桁の番号。6桁目までは世界共通、下4桁は各国ごとに異なる。(日本国内でも、輸出用のHSコードと輸入用のHSコードは、下4桁が異なる)
簡単にHSコードを調べる方法の注意点
「簡単にHSコードを調べる方法」をお伝えする前に、注意点をお伝えしておきます。
今回ご紹介する方法で、全ての品物のHSコードが調べられるわけではありません。あくまでHSコードの大まかな当たりをつける方法として参考にしてください。
特に、ビジネス目的の輸出入には、正確なHSコードの申告が求められますのでわからない場合は通関業者などに依頼しましょう。
簡単にHSコードを調べる方法
早速本題です。今回ご紹介する方法は、税関の事前教示というサイトを使用します。
事前教示とは、HSコードに関する税関への問い合わせの履歴が見れるようなサイトです。もしあなたが郵送したい品物のHSコードを、過去に誰かが税関に問い合わせていたらこのサイトに掲載されるということです。
逆に言うと、全ての品物のHSコードが事前教示に掲載されているわけではない点、ご了承ください。
ステップ1:税関の事前教示サイトにアクセス
まずは税関の事前教示のサイトにアクセスします。こちらから、直接リンクに飛べます。Googleで「税関 事前教示」と調べてもすぐ出てきます。
ステップ2:調べたい品物名を検索
調べたい品物の品名を、検索欄に入力し、検索ボタンを押します。
まずは「一般的品名」の欄に入力して検索するといいと思います。それでも思うような検索結果が出てこなかった場合は、「全項目」の欄にキーワードを入力してみましょう。(初めから「全項目」の欄に入力すると、検索結果が多すぎることがあるためです。)
今回は、「革製の手袋を海外に輸出したい」場合を想定して、「手袋」と検索してみます。
ステップ3:検索結果の中から、自分の送りたい品物に近い品物を見つける
検索結果がこのように表示されます。手袋だけでもいろんな番号があるんですね。これは、材質や用途によって異なるHSコードが割り振られるためです。
番号を押すと、詳細が確認できます。詳細を見ると、「3926.20はプラスチック製の手袋」「4015.19はゴム製の手袋」といった違いがあることが分かります。
今回は、革製の手袋のHSコードを調べていたので、4303.10という番号になりそうだということが分かります。
ステップ4:番号をもとに最終確認!
上記の3ステップは、HSコードの大まかな当たりをつける作業でした。
最終確認として、当たりをつけたHSコードが正しいか、統計品目表と呼ばれるHSコードの一覧を使って、ダブルチェックをしてみましょう。
まず、税関のホームページの輸出統計品目表または、輸入統計品目表(実行関税率表)にアクセスします。
今回は「革製の手袋を輸出する」という設定なので、輸出統計品目表を確認しましょう。(輸出用と輸入用のHSコードは異なるため、輸入の目的の場合は、輸入統計品目表(実行関税率表)を見ましょう。)
ステップ3で確認した、4303.10は、43類の「毛皮及び人造毛皮並びにこれらの製品」という分類に当てはまります。
第43類の品目表という文字をクリックしましょう。43•••から始まる番号がたくさん出てきます。
番号を辿っていくと、4304.10は「衣類及び衣類付属品の毛皮製品」であることが分かります。
毛皮の手袋は、この番号に当てはまりそうだということが確認できました。
ここで、「あれ?Step3で確認した時は4303.10.091だったのに、なんでここでは4303.10.000なんだ?」と思った方、鋭いです。前述の通り、輸入用と輸出用のHSコードは6桁まで同じで7桁以降は数字が異なります。Step3で確認した時はたまたま輸入用のHSコードが検索結果として出てきたようです。今回は輸出用のHSコードを調べる目的だったので、4303.10.000が輸出用の正しいHSコードとなります。
自力でHSコードを見つけるのが難しい場合
上記の方法でHSを調べるのが難しい場合は、通関士などのプロに質問しましょう。ココナラなどのサイトで簡単にプロに依頼することができますよ。
もし、ご質問などあればこのブログのコメント欄にもどうぞ。
また、すでに述べたように、ビジネス用の輸出入の場合は通関業者に頼むのが一番安全ですので、そうしましょう。
今回の記事が、HSコードの調べ方の参考になれば嬉しいです!
お読みいただきありがとうございました。
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