こんにちは。ナマサヤです。
今回は日本で撮影された インドネシアポップスのMVを紹介します!
これまで、意外とたくさんのインドネシアのアーティストが、日本でミュージックビデオ(以下、MV)を撮影しています。
インドネシア のアーティストが遥々6000キロ、海という海を超えて、わざわざ日本にMV撮影に来てくれたのかと思うと、これはブログにまとめなければと思いますよね。
MVの中には、皆さんの知っている日本の街並みもあるかも。
ロケ地推測ごっこをしながら聞くのも楽しいと思います。
そして、今回はスペシャルゲストとしてタイポップス音楽評論家のChueさんに来ていただきました。ゴリゴリの音楽マニアとして、私の語彙力を補いつつ、客観的な視点でインドネシア音楽を表現していただきます。
あいさつ
お久しぶりです。インドネシアポップスを歌う一般OLナマサヤです⭐️
タイポップスを主食とする会社員DJ、Chueです。
Chueさんは、タイポップス史を1960年頃から遡って分析・評論していた、やばい人ですね。
そうです。
タイポップスに対する愛の熱量と、タイポップスの広がりを感じました。インドネシアポップスも、誰か、音楽史の体系化をして欲しいと思います。私は無理。
(他力本願。。)
普段はタイポップスを主食とするChueさん。今回は、3時のおやつにインドネシアポップスを食し、グルメレポートを行っていただきました。ありがとうございます!
日本で撮影されたインドネシアポップスMVおすすめ5選
“Baru” -Tulus
•Tulusについて
Tulusはスマトラ島出身のシンガーソングライター。インドネシアの音楽賞AMIアワード(グラミー賞のインドネシア版)では、5年間で13もの賞を獲得する若き大御所。浜松の音楽フェスや、日比谷公園の日本インドネシア市民友好フェスティバルにも出演しており、日本とのつながりも深い。
•Baruについて
Baruは、インドネシア語で「新しい」という意味。 ティンパニーの低音と力強いTulusの声で、恋人と別れ、新しい自分に生まれ変わり強くなる姿を描く。MVの撮影場所は、代々木上原駅、渋谷のスクランブル交差点など。
Tulus「スマトラの怪人」
レゲエ、ソウル、そしてBurt Bacharachまでを取り込んだ怪作。それでいてとてもポップなところに図抜けた才能を感じる。小西康陽やEd Mottaに通じる音楽マニアの匂いをぷんぷんと発している。
Tulusについてはこちらの記事でも紹介しています。
“Intuisi” -Yura Yunita
•Yura Yunitaについて
軽快なメロディとハスキーボイスが特徴的な、インドネシアジャズ・R&B界の女王といえばこの人。インドネシアの有名シンガーソングライターGlenn Fredlyとのコラボ作品Cinta Dan Rahasiaをきっかけに一流歌手に昇りつめた実力者。Java Jazz Festival(インドネシアの一大音楽フェス)には、2015年以降毎年出演。
•Intuisiについて
MVのロケ地は金沢。意外にも、畳に正座が良く似合うYura。好きな相手に気付いてもらえないもどかしさを歌った歌詞は、自身の経験を基に書いたとのこと。Yuraの想っていた相手は京都に住んでいた人らしく、ロケ地選びの際は、京都では思い出が深すぎて辛いので、金沢を選んだとか。染みる。
Yura Yunita「バンドンの今井美樹」
豊かな表現力とアルファ波を引き出す声は、日本人アーティストに例えれば今井美樹を彷彿とさせる。単調なバラードかと思いきや後半の意外な展開が不安と表裏一体な心象風景を見事に描き出している。
インドネシア地理のお勉強。
おいおい、曲の紹介中に突然ぶっこむなよ、と地図も肩身がせまいかもしれません。
今回紹介する歌手の出身地と合わせて少しだけ地理のお勉強。
・Jakarta:インドネシア首都。
今回紹介するMVの歌手では、Afgan、Maudya Ayundaの出身地。
Wikipediaの世界の都市圏人口ランキングによれば東京に次ぐ2位。
・Bandung:インドネシア第3の都市。高原リゾート地、かつ学園都市。
Yura Yunita、Isyana Sarasvatiの出身地、バンドNoahの結成地。
学校の教科書でバンドンが登場する機会といえば、第二次世界大戦後バンドンで開催されたアジアアフリカ会議。
・Medan:スマトラ島東北部、北スマトラ州の州都。
インドネシア第4の都市。古くから交易の中心地。Rendyの出身地。姉妹都市の千葉県市川市はメダンからイリエワニの剥製を寄贈されたそう。
・Bukittinggi:スマトラ島西部、西スマトラ州の町。
地図上には地名が載ってませんが、Padangの上辺り。Tulusの出身地。世界最大の母系社会として知られるミナンカバウ族の文化にも触れられる土地らしい。
さて(串焼き)、MV紹介に戻ろう。
“Wanitaku”-Noah
•Noahについて
1997年に結成されたロックバンドNoah(元Peterpan)。キャッチーなビート、シンプルで覚えやすい歌詞、イケメンボーカルの甘いルックスで、リスナーの心を掴む。バンド名の改名(元Peterpan)や、メンバーの入れ替えなどを経験しつつも、20年以上もインドネシアポップス界のトップを走り続ける。
•Wanitaku
サビの、繰り返しフレーズ ”Apa yang kau cari~wanitaku(君は何を探しているの)” が印象的で、頭から離れない。MVは、東京タワーから始まり、スカイツリー、浅草、横浜中華街など主要な観光名所を抑えていて、観光ガイド代わりにも。MVの40秒あたりからは、数多くのインドネシア歌手がライブを行なってきた高円寺のインドネシアレストラン&バー、SUBstoreも登場。
Noah「インドネシアのミック・ハックネル」
空間を深く取ったエコーと、ヴォーカルの気持ちよくざらついた質感が2000年前後のSimply Redを思わせる。キャッチーなメロディと徐々に盛り上がる曲展開は、大きな会場で聴いたら絶対気持ちいいやつ。
Chueさん、Chueさん。
ずっと分かるような振りしてたけど、私インドネシアポップスとKpopと日本の80年代アイドルの曲しか聞かないから、Chueさんのコメント、たまにわからない歌手が出てくるの😢🙏
・・・。教養として知るべし!!
“Aku Sedang Mencintaimu”-Maudy Ayunda
•Maudy Ayunda
全女子が憧れる美貌と美声と頭脳を持つMaudy。映画女優としてデビューし、歌唱力を生かしてミュージカルにも出演。ディズニー映画モアナのインドネシア語主題歌を歌う姿も可愛すぎる。しかも、スタンフォード大学卒業の才色兼備。エンタメ界での活躍だけでなく、社会問題や政治への関心も高く、社会派インフルエンサーでもある。
•Aku Sedang Mencintaimu
この曲は、次に紹介するFeel so rightに出演の歌手、Rendy PandugoとMaudy Ayundaが共同で作曲した作品。いつも近くにいる友達に片思いをした、可愛い恋心を歌った曲。ちなみにこのMVの監督Davy Linggarは、最初に紹介したTulusのBaru、次に紹介するFeel So Rightも手掛けた日本MV撮影のプロ。(インドネシア ポップスに日本撮影MVが多いのは、この監督のおかげかもしれない。)
Maudy Ayunda「アッパーミドルクラスの姫」
オーガニックなサウンドは東南アジア全域の経済発展に伴い特に2000年以降徐々に一定の需要を満たすようになってきている。王道の曲調に負けない確かな歌唱力あってこそだが、飽きさせないプロデュースワークの巧みさが光る。
“Feel So Right”-Project AIR(Afgan,Isyana,Rendy)
•Project AIR(Afgan,Isyana,Rendy)とは
有名歌手3人のコラボ。サムネ左からAfgan、 Isyana、Rendy。3人の頭文字をとって、AIR。2018年の初コラボ以降、今回紹介するFeel So Rightを含む3作品を発表。甘い歌声で女性に人気のAfgan、ハツラツな性格とオペラの素質があるIsyana、落ち着いた大人のギター弾きRendyとタイプの異なる意外な3人の調和と融合が楽しい。
•Feel So Rightとは
AIR projectの曲は、Feel So Rightも含む全ての曲の歌詞が、英語。曲の最終アレンジはスウェーデンの音楽プロデューサーが手がけ、撮影は日本と、国際色豊かな楽曲。ロケ地は、六本木、上野、表参道、青山。秩父宮ラグビー場前という絶妙なチョイスもかっこいい。
Project AIR「90’s R&Bの進化系」
ベースとなっているのは90年代R&Bながら、10年代のエッセンスをたっぷり注入したモダンなトラック。特にイントロはTom MischやHonneを連想させてニヤリとしてしまう。バランスの極めて良いミックスも特筆すべき。
確かに。インドネシア は多様性の国なので、インドネシア ポップスも色んなジャンル、年代の音楽的要素を混ぜて曲を作るのが得意なのかも。
Chueさんのコメント、新鮮で、マニアックで、ニヤニヤしながら読みました。Chueさんは、音楽評論家であると共に、ニックネーム付け名人かも知れません。
まだまだある!日本で撮影されたMV集
ここまで、おすすめMV5選を紹介しましたが、日本で撮影されたMV、まだまだあります。
以下、日本で撮影されたMV集。(”曲名”ー歌手名)
•”Bumi dan Bulan”-Hivi!
•”Terambang”-Vidi Aldiano
•”Hari Ini Esok Lusa”-Brisia Jodie
•”Tunggu Di Sana” -Armand Maulana
•”Ku Dengannya Kau Dengan Dia”-Afgan
•”Aku Tetap Cinta”-Repvblik
•”I Don’t Care”-Rendy Pandugo
•”So Long!”-JKT48
•”Juwita Hati”-J-Rocks
•”This is Love”-Dmust Akira
•”Kembali Pulang”-Geisha
・”Arti Cinta”-Lalahuta
きっと、これ以上にもっとあるはず。ご存知の方、教えてください。追加します❤️
沢山のインドネシアのアーティストが日本でMVを撮影していて、勝手に親近感が湧きます。
今回紹介したMVの、ロケ地巡りと、パロディMVの撮影を密かに妄想している。
今後も、もっともっと多くのインドネシアアーティストが日本でMVを撮影してほしい。
その際はエキストラとして出演しますので、呼んでくださいよ。
インドネシアのアーティストのみなさん😉という届かぬ図々しさを出して、終わります。
今回ご協力いただいたChueさん、音楽偏差値が高い、センスまみれなコメントありがとうございました。
そして、読んでくださった皆さん、最後までおつき合いいただき嬉しいです。
またどこかでお会いしましょう。
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