インドネシア人2億6000万人に、「インドネシアの男性歌手といえば?」と聞けば、
きっと全員がトップ5以内にTulusの名前を挙げるはず。
今回はそんなインドネシアの国民的男性歌手、Tulusを紹介します。
Tulusって誰?そもそもインドネシア 音楽あんまり聞いたことない・・という方。
Tulusは日本語の曲をリリースしていたり、来日公演歴も多いことから、日本人にとって親しみやすいインドネシア人歌手No1でもあります。今回は、二回の記事にわけて、第一弾ではTulusの基本情報、第二弾ではTulusと日本との関わりを紹介していきたいと思います。
Tulus基本情報
Tulusは1987年生まれ、2011年デビューのジャズ・ポップ歌手。
すべてを包み込んでくれそうな、穏やかな微笑みと歌声の持ち主です。
初来日の際の、テレビ静岡の表現を借りると、「インドネシアの平井堅」。
こんな優しい顔して、Tulus、実は賞レースの魔物だったりする。
これまでに獲得した音楽・映像作品の賞は50以上。(Tulus オフィシャルHPより)
2015年、2017年には、インドネシア版グラミー賞、AMIアワードのトロフィーを、たった1人で5つもかっさらって行った、インドネシアポップス界無敵の王者なのです。
そんなTulusは、2011年デビュー当時から、実の兄と立ち上げたレーベルTulusCompanyに所属し、Tulus自ら楽曲制作を行っています。デビュー当時から、所謂”大手事務所の力”みたいなバックアップがない中、これほどまで有名になったのは、Tulusとお兄さんの努力と才能の賜物!
大学では、建築を専攻していたTulus。歌の才能だけでなく、デザインや写真のセンスも抜群。
インスタにも、よく建物の写真や、自ら書いたデッサンなどを載せていて多才ぶりが伺えます。
Tulusの歌手としてのキャリアを陰で支え続けてきたお兄さんは、Tulusの音楽家としてのキャリア、そして建築を学んだバックグラウンドを次のように語ります。
『建築家のような「黄金比」に基づき曲を作るTulus。
https://www.medcom.id/hiburan/musik/ybDlWRPb-konsep-arsitektur-dalam-lagu-lagu-tulus
そんなTulusの曲は、部屋にいるような感覚を与えてくれる。
Tulusの曲は、癒しや安心感を与えてくれる曲が多くて、何回聴いても聴き惚れてしまいます。
Tulusは、あったかくて丈夫な家を組み立てていく感覚で、曲を作っているのかもしれませんね。
Tulusの人気曲をアルバム別に
2020年現在までに、アルバム3作品をリリースしているTulus。
その中から、代表曲をアルバム別にご紹介します。
ナマサヤの勝手な独自アンケート
「インドネシア人、日本人20人に『Tulusのイチオシ曲』を聞いてみた」の結果も併せて記載しますので、ご参考にどうぞ!
ファーストアルバム「Tulus」
2011年9月にリリースされた、ファーストアルバムTulus。
MoccaやRaisaなども手がける有名プロデューサー、Ari Renaldiの協力を得て制作されました。
アルバムの印象は、遊び心とスイング感。
比較的、バラード曲の印象が強いTulusですが、このアルバムは、多才な表現力を見せつけよう!という気概を、私は勝手に感じています。
ボサノバっぽいイントロから始まる”Kisah Sebentar”や、Sing Sing Singばりのドラムソロから威勢良く始まる”Teman Pesta”などなど、Tulusのジャズフルコースがたっぷり聴けます。
人気曲”Sewindu”は、通常のピアノ・ドラム・ギター版に加え、雨の日の街灯のような感傷的な音を出すマニアック楽器、ローズピアノ版も収録していて、失恋を歌った歌詞の切なさを増幅させるアレンジ。
そんなファーストアルバムの中でもTulusの代表曲とも言える曲がこちら。
“Teman Hidup”(人生の友)。
一緒に人生を歩もう、同じ方向を目指そうという、誓いの曲。
インドネシアの色とりどりのバティック生地についつい目が行ってしまう、素敵なMV。
ナマサヤ独自アンケートでも、このアルバム中、一番人気の高かった曲です。
セカンドアルバム「Gajah」
続いて2014年にリリースされたアルバムが「Gajah(象)」
子供のころから体の大きかったTulusは友達から象と呼ばれてきたそうで、セカンドアルバムのタイトル名、同アルバム収録曲のタイトルになっています。ちなみにTulusのインスタにも象と一緒に撮った写真や象の置物の写真がたくさん!
このアルバムの代表曲は、やはり アルバムタイトルにもなっている”Gajah”。
子どもの頃は象というあだ名が、大嫌いで、そう呼ばれたら怒っていた。
けれど今では、象の賢さや逞ましさが分かって、象のように強くありたいと思う。
そんなTulus自身の考え方の変化と成長を歌った曲です。
このセカンドアルバムには他に、後に日本語に翻訳された楽曲”Sepatu”や、日本でMVが撮影された”Baru”、4回の来日公演でさりげなく毎回歌っているJangan Cintai Aku Apa Adanyaも収録されています。セカンドアルバムは、本人は多分意図していないかもしれないですが、結果的に一番日本に馴染みのあるアルバムになっているかもしれませんね。その辺り、第二弾の記事〜Tulusと日本の関わり〜で紹介します!
サードアルバム「Monokrom」
2017年にリリースされたサードアルバム「Monokrom」は、プラハ市フィルハーモニーをバックに、チェコプラハで収録されました。Tulusの芯のある声にオーケストラの音の厚みが加わった、壮大な世界観のアルバムです。
Tulus公式Youtubeチャンネルには、プラハで録音した時の映像もあり、50名のオーケストラと融けあうTulusの歌声に魅了されます。
歌っているのは ”Pamit”。Tulusの音域の広さが感じられます。
そして、ナマサヤ独自アンケート(再び登場!)の結果、Tulusの全曲の中で最も人気が高かった曲がアルバムのタイトルにもなっている”Monokrom”。(20人中、8票獲得)
白黒写真から、その時の服の色、家の匂い、様々な思い出を振り返りながら、母親への感謝を歌う一曲。
ここまで、各アルバムの代表曲をご紹介しました。
あくまでも代表曲なので、個人的な好みは様々だと思います。
私個人的には、”Ruang Sendiri”と”Tukar Jiwa”も好き。
一度聴いたら数時間メロディーが頭から離れなくなる中毒曲です。
おまけ
Tulusの動画を漁っていたら、お宝を発見したので、貼っておきます。
Yura Yunita、Kunto Aji等、インドネシア の実力派歌手と重層感のあるアカペラ。ラマダン(断食)の終わりを祝うHari Rayaの日の歌を歌っています。
誰の家!?すごく服と靴が多くておしゃれ。とにかくめちゃくちゃ楽しそうだし、お祝いということでめでたい。この空間にうっかり居合わせて、彼らの美声を浴びたい!!
Tulusは、同世代のKunto AjiやTeddy Adhityaと仲が良いようで、音楽フェスなどでも良く一緒に歌っています。贅沢すぎる才能のチャンプル。
ここまで、 Tulusの基本情報を、Tulusの曲をニヤニヤ聴きながら紹介しました。
お付き合いいただきありがとうございます。
第二弾では、Tulusの日本との関わりについてご紹介しますので、引き続きお付き合いお願いします!!
第二弾はこちら!
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