1980年代音楽のリバイバルブームがインドネシアでも!? 〜Utha Likumahuwaの”Sesaat Kau Hadir”が再流行している件について〜

インドネシアポップス
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「プラスチックラブ」や「真夜中のドア」など1980年代の楽曲が世界的に再流行しましたが、インドネシアでも最近、1980年代頃の曲が再注目される流れがあります。

その代表的な楽曲がUtha Likumahuwaの”Sesaat Kau Hadir”です。

”Sesaat Kau Hadir”は、1980年代頃に活躍していた歌手Utha Likumahuwaの代表作ですが、2023年現在、Tik Tokでこの曲を使った動画が流行ったり、オマージュ作品がリリースされるなど、再注目されています。その背景を探ってみましょう。

”Sesaat Kau Hadir”が2023年再注目されている件

双子ドュオGery Ganyのカバー

”Sesaat Kau Hadir”再流行の最大の立役者は、Gery Ganyという双子ドュオ。「X Factorインドネシア」というオーディション番組でTop10ファイナリストに選ばれた注目の新人アーティストです。

Gery Ganyが、2022年12月”Sesaat Kau Hadir”のカバーをリリースするやいなや、Tik Tokで話題になったそう。ちなみに、このカバー版は2023年2月現在、SpotifyのインドネシアViralチャートにもランクインしています。さすが双子!と感心してしまうハーモニーの美しさです。

Diskoriaによるオマージュ作品”Badai Telah Berlalu”

Diskoriaは、このブログでも度々紹介しているDJドュオ。インドネシアのディスコに1970-80年代インドネシアポップス旋風を巻き起こしている二人です。
そんなDiskoriaのプロデュースにより”Sesaat Kau Hadir”をオマージュした”Badai Telah Berlalu”という曲が2022年1月にリリース。イントロや、ビの盛り上がり方が”Sesaat Kau Hadir”そっくり。

ちなみに、”Sesaat Kau Hadir”のタイトルは、有名歌手Chrisyeの”Badai Pasti Berlalu”(1977)から取ったものと思われるので、レトロインドネシアポップスの様々な曲の要素をたくさん詰め込んだ1曲となっています。

Utha Likumahuwaと音楽界に名を馳せる家族たち

Utha Likumahuwaは、インドネシアで唯一UNESCOのCity of Musicにも指定された音楽の街、Ambon出身。Utha Likumahuwaの兄Benny Likumahuwaは、トロンボーン、フルートなどを吹きこなすジャズミュージシャン。そして、Bennyの息子(Uthaの甥)のBarry Likumahuwaは、現在も活躍するベーシストと、Likumahuwa家は音楽の才能がハンパない家系なのです。

Barry Likumahuwaは、叔父のUthaや父のBennyの七光りと言われたくなかったのでしょう。音楽一家の出自を隠すため Likumahuwaという苗字を隠していた時もあったようですが、実力で有名ベーシストとして名を挙げた現在は、このように堂々とおじさんであるUtha Likumahuwaの”曲Sesaat Kau Hadir”をカバーしています。

Utha Likumahuwaのおすすめ曲

”Sesaat Kau Hadir”以外にもたくさん良い曲があるので、ご紹介します。

まずは私の大好きな曲”Tersiksa Lagi”。ところどころ現れるピアノがめっちゃおしゃれじゃないですか?この曲も、先ほどご紹介した双子デュオGery Ganyがカバーしていました。

こちらも私が大好きになった一曲。特に盛り上がるサビの部分は、Utha Likumahuwaの伸びやかな声が映えますね〜。

最後に

以上、Utha Likumahuwaのご紹介と、”Sesaat Kau Hadir”が再注目されている件についてでした〜。
1980年代インドネシアポップスは、懐かしくて、でもなんだかすごく新しくて、日本のシティポップに続くブームとなるポテンシャルを秘めていると思います!!

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