アメリカを拠点にアジアの文化を発信するレーベル、88rising。今回は、その中心人物として活躍するインドネシア出身歌手NIKIについてご紹介します。
NIKIのプロフィール
アメリカの一大音楽フェスCoachellaへ出演したり、マーベル作品のサウンドトラックに参加したりと、アメリカを拠点に世界で活躍中のNIKI。
1999年ジャカルタに生まれ、教会のシンガーをする母親のもとに育ち、幼い頃から音楽に親しんでいたよう。
そこからインドネシアでの若干の歌手活動を経て2017年に渡米し、88risingに所属することになります。ただ、アメリカに渡ったのは大学に通うためであって、歌手になることは全く想像してはいなかったとのこと。本人が望んでやっと歌手になれた!というのではなく、光る原石を世の中にたまたま発見されて歌手になったというシンデレラガールNIKIの才能はホンモノ!
おすすめ曲:Every Summertime
NIKIを代表する一曲、”Every Summertime”。歌詞は、お父さんに彼氏を初めて紹介するという、甘酸っぱい内容💕しかも、同じくアメリカでシンガーソングライターとして活動する彼氏のJacob Rayと共同で書いたというエピソードも踏まえて聴くとさらに甘い!ちなみにJacob Rayの作品も聞いてみましょう。
さて、”Every Summertime”に話を戻すと、この曲は動画の供給がすごく多い!コメント欄には、「MV何個あげるの!?」というツッコミも見かけました。今回ここに貼ったのは、父親目線バージョン(?)なのかな?他にもスーパーマーケットで歌ってる動画とか、リビングで歌ってる動画とか、男の子が楽しそうに車で聴いてるバージョンとか!
この曲はマーベルの映画作品「シャン・チー/テン・リングスの伝説」のサウンドトラックの収録曲。ちなみにこのサントラ、アジア出身のアーティストがたくさん参加していて、中には星野源が韓国のR&BシンガーZion.Tとコラボした曲もありますので、チェックしてみてください😄
88rising所属前のインドネシアでの活躍
お次に、あまり世に知られていない88rising所属前のインドネシアでの活動について触れたいと思います。
NIKIが、本名のNicole Zefanyaとして活躍していた頃の曲、“Awali Hari Dengan Cinta”(愛で1日を始めよう)。
88risingに所属する前、さらにはアメリカに渡る前の2014年。”Ride to Fame”と言うオーディションに受かったNIKIは、Taylor Swiftのジャカルタ公演のオープニングアクトを務めることになります。そこで数曲披露したのですが、そのうちの一曲”Awali Hari Dengan Cinta”は2014年Sony Music Indonesiaからリリースされました。
さらには、2015年にリリースされた、愛をテーマにしたコンピレーションアルバム”Semua Tentang Cinta”では、JudikaやYovie&Nunoなどの有名インドネシアアーティスト達に名を連ねて、NIKIの”Awali Hari Dengan Cinta”も収録されました。88rising所属前からNIKIは、インドネシアで注目度が高いアーティストだったことが窺えます。
最後に
アメリカで、アジアを代表する歌手として活躍するNIKI。アメリカの文化を吸収しつつ、インドネシア人としてのアイデンティティも存分に発揮していくスタイルは、多様性時代のアーティストの象徴とも言えるでしょう。
「アジア出身者だけで固まって音楽活動をする88risingって、「音楽に国境はない」っていう考えと反してるんじゃないの?」って思う人もいるかもしれません。でも、そういうボーダレスな世界を語るには、まだまだ国ごとのプレゼンスの差が大きいわけで。
今までアジアに興味がなかったアジア圏以外の人たちが、88risingのアーティストを知る過程で「このアーティストの出身国(例えばインドネシア)ってこういう国なんだ!」というアジア各国の認知の向上につなげている、というのが88risingとその所属アーティストたちの活動意義だと思います。
私も1人のアジア人として、彼らの活躍を今後も応援していきたいと思います。今回もお読みいただきありがとうございましたー。
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